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2005-01

31 野ブタ。をプロデュース 白岩 玄 著 - 2005.01.26 Wed

『野ブタ。をプロデュース』読了。
押し付けがましい若さに苦笑しながらも、テンポよい語り口に乗せられて前半を読む。魅力はあるが、ちょっと鼻につくほど自信家の修二と、彼のてのひらの上で踊らされている級友たち。そして転校生の信太(しんた)くんは野ブタとして陰湿な言葉いじめとシカトの対象として登場する。あっけらかんと語られる口調の裏に潜む残酷さは、語り口が軽いだけに、逆に胸に突き刺さってくる。

そして後半。
この年若い作者の力量に、私はシャッポを脱いだ。うまい!
前半で垣間見せている後半への種が、最後の最後で芽をふいて、こちらの胸をコトンと叩く。

今回の芥川賞候補に挙げられながら、惜しくも受賞は逃したが、力量的には受賞に匹敵する作品だと思う。受賞作の阿部和重氏の『グランド・フィナーレ』は未読だが、以前読んだ阿部氏の『ニッポニアニッポン』から推して考えれば、受賞は当然なのだろうとは思う。それならば、二作受賞でもよかったんじゃないかと、ちょっと残念だ(ちょっとと言うのは、受賞してもしなくても、いいものはいいという意味で)。

中には、若さゆえの偶然の秀作ではないかと言う人もいるようだが、作者のこの感性、表現力は、まぐれなどではないと私は確信する。過剰なほどの自意識との対峙や葛藤は、果たして若者だけのものであるのかどうか。大人であることを拒否し、拒否される現代の大人たちにとって、大人面する前に沈思黙考する時間を与えてくれそうな作家の登場を予感させてくれた。

身の内を揺さぶられる感動と衝撃を、ありがとう。白岩玄。
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