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4 源氏物語 巻一~巻十 円地文子訳 - 2004.11.16 Tue

 高校時代古文が大嫌いだった私が、まさか『源氏物語』を読むなんて考えもしなかったこと。これは、二十代に読み手元に残る貴重なシリーズです。ちょうど長女がお腹にいたときのこと、新聞広告がやけに目につき、おそるおそる巻一を買ってみました。新婚当初のことでそうそう自由にできるお金もなく、毎月一冊ずつ買って気がついたら全巻読み終わっていました。それまで現代文学、それも外国文学のものに偏った読書傾向にあったのが、どうして百八十度違うものに興味を持ったのか、今では謎です。
 翌月になって新しい巻を買うのが待ち遠しくて、寝ても覚めても雅な世界に漂っているような毎日でした。別冊になっている補注と首っ引きになりながら、光源氏の憂愁に浸り、彼を取り巻くさまざまな女人たちの思いをなぞったものです。
 当時、何やら異次元の世界に入っていくような、大きな敷居を跨がなければ読めないような感覚を持っていましたし、難解だった印象を持っていましたが、今ページをぱらぱらめくってみると、とても読みやすい装丁、文章で書かれています。外国ものからの翻訳文学と、日本の古典からの翻訳文学、その距離がそれだけ大きかったということなのでしょうか。今は読み返す時間はありませんが、いずれきっちり読んでみたい作品のひとつです。

新潮社 読んだ時期:25歳 2002.5.18記
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