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2017-08

ベジャール、BBL、そしてジル・ロマン② 追跡編 - 2011.03.31 Thu

長い長い間離れていたベジャールの世界。
再会は思わぬとき、思わぬところで訪れた。

この半年あまり、映画(邦画)を見続けていたのだが、ネットでの無料レンタルも終了したのち、見たい映画だけ借りるスポット方式に切り替えた。そのレンタルショップで、ベジャールのDVDを発見。2本あった。

『ベジャール、バレエ、リュミエール』(2002年)
『ベジャール、そしてバレエはつづく』(2008年)

『ベジャール、バレエ、リュミエール』は、フランスの歌手、ブレルとバルバラの音楽と、リュミール(光)をモチーフに、その振付過程、制作過程を追ったドキュメントである。

老いてなお矍鑠としたベジャール。鋭い眼光には、創作への飽くなき炎と、それにも増して温かさや慈しみさえ宿して、若いダンサーたちの前に在る。

二十世紀における舞踊界にあって、あまりに大きな存在だったベジャール。
彼の大きさは、舞踊界にとどまらず、さまざまな芸術、文学、文化と深く関わり、影響を与えてきた。
彼は亡くなる直前まで現役であり続けた。

ベジャールを失ったバレエ団は、どうなるのか?
そもそもバレエ団とはいかなるもので、どうやって存立し、どのように継続してゆくものなのか・・

恥ずかしながら、そんなこと考えたこともなかった。
どこかの企業や大富豪がパトロンとなって経済的バック・ボーンとなっている?・・・いや、そんなこともおぼろげに想像するだけで、公演や学校経営だけで採算がとれているのかどうかすら、考えてみたこともなかった。

BBLはどうだったのだろう?

『ベジャール、そしてバレエはつづく』は、ベジャールという巨人亡きあとのカンパニーの苦悩、そして再起への日々をつづったドキュメンタリー映画である。

現在BBLが本拠としているローザンヌ市が、年間巨額の財政的援助をしていることが明かされる。だがそれも3年ごとの契約となっているようで、主であったベジャールの不在は、カンパニーにとって、財政的にも最大のピンチとなる。

ベジャールなしでも、カンパニーとしてちゃんとやってゆけるかどうか・・。
団員たちは試されていた。ひとりひとりが試されていた。
中でも、ベジャールの後任として、芸術監督を託されたジル・ロマンは。

彼は新たな作品創りに挑戦した。
それは、ベジャールとの約束でもあった。
新しい作品を創り続けること。若いダンサーを育てること。
過去にとらわれずに前進すること。

ジョルジュ・ドン亡きあと、ベジャールの片腕として、ひとりの天才ダンサーとしてやってきたジルの肩に、あまりにも大きなベジャールからの贈り物。どんなにジルが優れたダンサーであっても、どれほど魅力溢れる演技者であっても、あの巨星ベジャールの不在の穴を埋めるのは、あまりにもきつい。

それでも彼は、一歩一歩前進することを選んだ。
そして、新作『アリア』を創り上げる。
文字通り、ダンサーやスタッフすべての力で、渾身の作品を産み出し、世に問うた。

この過程は、実はこのドキュメンタリー映画1本だけには収まらない。

この後、さまざまところから手当たり次第情報を収集して、少しずつ私の中のベジャール年譜ができあがりつつある昨今。

それでも、生前ベジャールが生み出した数百に及ぶ作品と、これからジルを中心にBBLが生み出してゆく幾多の作品のうち、いったいどれだけ触れることができるだろうか。天に散らばる星々を集めることよりも、もっとむずかしい気もしている。





ちなみにこの映画、原題を『le cœur et le courage(心と勇気)』という。
作品の最後に、こんなテロップが付されていた。

Les enchanteurs pourront bien m'ôter la bonne chance;
mais le cœur et le courage, je les en défie.

       Don Quichotte, Ⅱ, 17

魔女に幸運を奪われても
心と勇気は守り抜く

       ドン・キホーテ 第2部 第17章



・・・・ 書きたいことがありすぎて、全然まとまりません。ご容赦ください ・・・・

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● COMMENT ●

ベジャール

いかにビッグネームだったかをいまさらに思います>ベジャール

ののさんのみた日本公演では舞台デザインが横尾忠則だったんだ。さぞかしエキセントリックなデザインだったかと。YouTubeをそのまま続けてみてギエムのボレロをみました。すごい、すごい、ものすごいです!かなり好きです。超一流ダンサーしか踊らないから、どれをみても個性があり演出がちょっと違って飽きないです。

ディオニソスに使われた横尾さんの作品のひとつ、アップしましたので、見てくださいな。もしかしたらこれだけではなく、ほかのパターンもあるような気がします。

ギエムは鬼気迫るものがあるよね。
ベジャールは、たぶん演出は変えていないと思う。彼もジルも、振付けた作品の中で、ダンサーがいかに自由に踊れるか、ダンサーを解放することを志向していたから、ダンサーによって違って見えるものは、ダンサーその人自身にあるんだろうって、想像しています。


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