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7 サザンスコール 木のぶ子著 - 2004.11.16 Tue

 樹のぶ子、はじめて聞いた名前でした。サザンスコール、これももちろんはじめてです。とにかく、新しい作品を読まなくなってから十五年以上経っているのだから、疎くなるのも当然です。まるで未知の世界に踏み込むように、おそるおそる読み始め、圧倒的な面白さを感じながらも、読み終わるのにひと月ほどかかってしまいました。つまらないから読み進まないのではなく、作品から溢れ出るものを受け止めきれず、咀嚼できず、それゆえ時間がかかってしまったというところでした。ちょうど、飢餓状態にあるとき、いきなり贅を尽くしたフルコースの食事を用意されたら、こんな具合じゃないかというような。
 沖縄、染色、機織、奔放で野性的な少女、仕事に辣腕を振るうキャリアウーマン、組織の中の人間として成功者の地位にいる男、死さえも抱きこむことのできる老熟した男、職人気質のひたむきで頑なな男、そして彼らの紐帯となるのは一枚の布をめぐる大きな謎・・・。謎解きを強いられながらも、安易に読み進むことができないほどの芳醇な文体と吟味されたエキスが詰め込まれたセンテンス。高樹さんの世界は、やはりフルコースなのです。
 読み終えたあとすぐに、気になった文章、これはと思われる台詞などをパソコンで打ち込みました。ざっと17,000字、原稿用紙で40枚以上のタイピングをしてしまったことになります。
 描かれた世界、作中人物についての好悪はともかく、樹のぶ子さんの作品は間違いなく第一級のものだと思います。ストーリー構成の重層さ、展開のスリリングさ、男女の機微とツボを心得た描写、そして華麗なる文章表現。どのフレーズを切り取っても、ひとつのセンテンスだけでもこちらを魅了してしまうほどの魔力を秘めた表現。
 酔います。目が覚めます。矛盾しているようですが、酔わせて覚醒させて、いいようにこちらを振り回してくれるのです。

新潮文庫 読んだ時期:1999.02 2002.05.21記
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