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8 あなたみたいな明治の女(ひと) 群 ようこ著 - 2004.11.16 Tue

 いやあ、これは面白かったです。中学・高校時代、全集で出された女性史や偉人伝のようなものをいくつか読んだことがありましたが、そういうものとは全く違う。群さんの軽やかな筆さばきには脱帽です。と言うのも、有名・無名の八人の女性を取り混ぜて取り上げている筆者の視点が、とてもよく出ている、つまりは歴史書や研究書の類ではなく、どこまでも筆者の語りものになっているのです。
 八人もの人物を描きながらも、紙数は文庫本で190ページ。それぞれのはじめに、略歴を付してはあるものの、よくこれだけのボリュームで描いたものだと感服しました。それぞれの人物が、くっきりとその輪郭をあらわにされ、語るべきことは語りつくされているような確かな手ごたえが伝わってきます。もちろん、描き足りなかったこともたくさんあるでしょう。もっともっと語りたかったものもあると思います。それでも、おそらくは実際の紙数の何倍もの膨らみをもって、こちらにはそれぞれの人物像が確かに伝わりました。
 あとがきに、筆者はこう書いています。
『八人の女性たちの人生を読んで感じたのは、どの人もみな迷い、悩み、悲しんでいることだ。そしてそれを他人の責任にしないで、自分でしっかりと受け止めて、それをばねに生きている。・・・(中略)・・・
 ・・・独りで仕事をしていようが、家庭を持っていようが、男性関係が派手だろうが、彼女たちの人生は爽快だ。彼女たちの生き方のどの部分をとっても、私には同性として、そして人間として、学ぶところがたくさんあった』
 ちなみにこの八人とは、森鴎外の母・森峰子、『招婿婚の研究』『女性の歴史』を著した高群逸枝、女性初の小学校長になりのちに参議院議員となった木村キヤウ、平塚らいてうとともに「新しい女」として名を馳せた富本一枝、大阪事件に連座して入獄、のちに『世界婦人』を創刊した福田英子、華やかな男性遍歴の中で新聞記者から資生堂の子供服部主任、あるいはパリでレストラン開業などをした宮田文子、小説家網野菊、そして旧家に生まれエリートサラリーマンの妻となって家庭を切り盛りした小林信子。
 私が一番興味をもって読んだのは、最後の小林信子さん。二十代の専業主婦の綴る日記をもとに描かれた当時の暮らしぶり、彼女の奮闘ぶりを、とても心地よく読ませてもらいました。

朝日文庫 読んだ時期:2002.05 2002.05.22記
収録作品:森峰子/高群逸枝/木内キヤウ/富本一枝/福田英子/宮田文子/網野菊/小林信子
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