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遅々として進まぬ読書なれど - 2011.09.20 Tue

『海炭市叙景』   佐藤泰志 著

 ≪ひとつの町と、そこで暮らす市井の人々を描いている。町の物語であると同時に、八人の主人公とその周辺の人々を描いた群像劇でもある。・・・≫ 小学館文庫『海炭市叙景』あとがきより≫

第1章9編、第2章9編の計18編の短編から成る、未完の短篇集。
全編を通じて、淡々と描かれていて、その静謐が心地よい。
市井の人々の日常の断片の連なりであるがゆえに、大きな起承転結的結末は用意されておらず、終わりが見えない。ダカラ、ナンダッツーノ? と、何度も思うのだが、だからこその作品群であり、だからこそ胸に染み渡る。

こういう力みも澱みもなく、削げるものをきれいに削ぎ落とした文章への憧れ。



『2050年は江戸時代』  石川英輔 著

発想も着眼点も面白いところいっぱいの、いわば近未来を描いた物語。
物質文明が行き詰まり、自ずとリサイクルと自給自足の江戸時代の農村社会へ回帰した社会(どうやら21世紀らしい)を描いていて、現在社会への提言も多々含まれてはいるのだが、ことがことだけに、笑いなしには読めなかった。たとえ苦しんだり足掻いたりしたとしても、こんなふうにうまいこと推移できるのなら万々歳なのだろうけれどね。システムとしての世の中も、ヒトそのものの暮らしや習慣・感性・体力などなども、そう簡単にスイッチできるものではないだろうな。



『閃光』   永瀬隼介 著

力感のある作品。
玉川上水に上がった扼殺事件(現代)から、30数年前に起きた三億円事件がひもとかれてゆく。
かつて三億円事件に関わったことのある老刑事と、出世志向バリバリで根性ひん曲がった若手刑事コンビが、これに当たる。三億円事件の謎解きとしても、面白かった。こういうこともありえるんだろうなーと思わせてくれる。

この作品、映画化されていて(ロストクライム ー閃光ー) 、主役刑事役を奥田瑛二と渡辺大が好演している。特に渡辺大(渡辺謙の息子)が、癖のある若手刑事役を、嫌味を見せて演じているのには苦笑混じりの拍手喝采だった。


その他、平成17年2月号のオール読物より

『供物』 浅田次郎 著

浅田次郎にしては固い語り口を感じた作品だが、やはり『ホロリ』は忘れていない。
ちょっとつらいな。


『浮島の森』  桐野夏生 著

これまた桐野夏生っぽくない雰囲気で、純文学的世界を描いている。モデルは佐藤春男かな?とふと思ったが、全く違うかもしれない。


『クラッシュ・ウーマン』 熊谷達也 著

面白かった。熊谷さん、こういうスタイルもいいな。
躍動感が気持ちよい。


『冬の観覧車』  小池真理子 著

女心と都会の寒さが妙にマッチする。揺るぎない。


『おこた』  重松 清 著

ほのほのしているかと思えば、ズシッと重い。この持ち重りが『おこた』そのものに集約されていて、暗くなり果てることない余韻を醸し出しているようだ。


『命毛』  出久根達郎 著

若かりし頃の樋口一葉を描いている。もう少し先を読んでみたい。


『一夜まで』  唯川 恵 著

印象が薄くて、感想メモ記せず。


『風の誤算』  連城三紀彦 著

≪噂≫は自然に流れるもの? それとも仕掛けられるもの? はたまた仕掛けるもの?
面白かった。


『レオナルドの娘』  花村満月 著

結末がちょっとエグくて、花村さんらしいと言えば言えるのかもしれないけれど、ちょっと引いてしまった。


『タケヤブヤケタ』  藤沢 周 著

いやあ、コワイですなー!
これは友人某momoさんにお薦めしたい一品。



小説雑誌で短編を読む、と言うのは、結構疲れるものだ。
しかもこれだけソウソウたるメンバーの作品たちだ。
ひょっとすると、私には合わない読書スタイルかもしれない。


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● COMMENT ●

>これは友人某momoさんにお薦めしたい一品。
ほうほう、何だか落語のタイトルのような。
読みまする~~~。

続き。
「タケヤブヤケタ 藤沢」で検索をかけたら、nonoさんのこのサイトが3番目に出てきておにょろいた。ついでに、藤沢周さんは週刊ブックレヴューでずっと司会をしてらしたダンディな方で、知的なとところが凄く好きだった。知的な人にひかれるっつ~ことはきっと私はアホなんだろうと思います。

藤沢さん、画像検索してみたけど、静止画像ではmomoさんが感じた魅力はわからなかったよー、残念。

> 知的な人にひかれるっつ~ことは・・

恋せよ、乙女!☆\(^^;)


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