topimage

2017-10

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

父逝く - 2012.01.18 Wed

1月14日(土)、夜勤明けて少し遅めに眠りについてまもなく義妹から電話。いつも穏やかで落ち着いた口調の彼女が取り乱している。父の容態がよくないらしい。

寝ぼけ頭の中、事態がうまく把握できずにぼんやりしていると、その1分後、再び彼女から電話。
「お父様がお亡くなりになりました」
泣いている彼女の声が、とても遠くに聞こえた。

すぐにでも行かなくてはならないのに、手も足も気持ちも頭もどれもがバラバラになってしまって、ことがうまく運ばない。とりあえず仕事先のボスには連絡したものの、そのあと気がつくと、逝ってしまったことをバカヤロって詰りながら戸棚や鞄をひっくり返している。

そこから先は怒涛の3日間だった。
お通夜も葬儀も、生前の父のたっての希望に沿い、自宅で家族だけのこじんまりとしたものだった。
かつて一同に会したことのなかった子供たちとその家族が集まり、それでも狭い部屋の中は不思議な熱気で飽和状態となる。遠路駆けつけ、疲弊しきった大人たちの間を、唯一、桃ずきんとチビ介が清涼な風となって吹き抜けてゆく。

憔悴しきった母、冷たく横たわる父、縁者からの電話、生きて在る者たちの都合や言い分、ずっと支え続けて来た弟や義妹の奮闘。

ささやかなお別れの式典であっても、小さな、それでもそれぞれに重いたくさんの事情やドラマをくるみ込むようにして、夜が訪れ、夜が明け、また夜が訪れ、気がつくと父は綺麗な額縁の中で静かに微笑んでいた。

83歳と11ヶ月。
みかんと線香の匂いの中で暴れて育った大悪童、どこへ行っても餓鬼大将だった。
だったけれども、その実、石橋を叩き壊してしまうほどの小心さと、鬱陶しいほどの細やかな神経と、四角四面の几帳面さと、それ以上のいたずらっ子ぶりと、何よりもデカい顔とデカい声の人だった。

着道楽で何よりもお洒落が大好きだった彼は、お仕着せの道中着を傍らに置いて、バーバリーのスーツと、一番好きだった小豆色のワイシャツ、赤茶色と紺色のストライプのネクタイで洒落のめした出で立ちで出かけて行った。

「おまえは女のくせに、俺にそっくりだ!」
30年ほど昔、あなたが私に腹を立てて履き捨てた台詞。
でもそれはウソです。
私はあなたほど、大悪童でもなければ、大ガキ大将でもない。
あなたほど繊細でも小心でもなく、ましてや几帳面なんかじゃない。
あなたほどの強運もなければ、根性もありません。


私は最後まで、あなたの揺らす籠の中にいたかった。
いたかった癖に、そこから飛び出すことでしか生きられなかったおバカな娘でした。
ずっとずっと今までずっと。
そしてこれからもまた。


暗転。


関連記事
スポンサーサイト

● COMMENT ●

心よりお悔やみ申し上げます。

ありがとうございます<(_ _)> 

たった今知りました。
お悔やみ申し上げます。

ありがとうございます<(_ _)> 
2週間が過ぎましたけど、いまだに実感がありません。
ずっと、遠く離れて暮らしていたせいでしょうか。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://knno.blog38.fc2.com/tb.php/181-6d1a5327
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

めまい科 «  | BLOG TOP |  » 新宿へ

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

****

?Count Down!

近ごろの枕べ

Powered By ソーシャルライブラリー

プロフィール

nono

Author:nono

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。