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2017-08

30 幕末武士の失業と再就職-紀州藩田辺詰与力騒動一件 中村豊秀著 - 2004.11.21 Sun

 図書館で、タイトルに惹かれて借りてきた一冊。
 田辺に居住する紀州藩横須賀組一統に対し、紀州家から支藩安藤家への支配替の通達が届けられた。──そこからこの物語は始まるのだが、実は根はさらに深いところにあった。
 物語と書いたが、これ、新書である。小説のわけがないのだが、筆者の筆捌きが巧みで、ついつい、そこに描かれている人々の世界へ引き込まれてしまう。
 横須賀組の起源は、関が原の戦いにまでさかのぼる。直参として組織された彼らが、やがて世が落ち着いた時代、紀州藩にお預けとなり、与力職としてさらに田辺居住を命じられる。彼らにしてみれば、田辺は仮の住まい。将軍家お声掛かりとしての矜持こそが彼らを長きにわたって支えてきたものだった。
 時は幕末。時代の趨勢のもとで、彼らは紀州家直属の身分から支藩への支配替えを示唆されるのだが、どうしてもこれを受け入れることができない。
 おそろしく忍耐を要する嘆願を繰り返すのだが聞き入れられずに、ついにはそれぞれ家族を伴っての浪々の身となる。
 やがては帰藩も叶えられ、紀州の片隅で彼ら独自の生きかたの中で維新を迎え、たくましく生きぬいてゆくのだが、このどうしても譲れない矜持を疑うことなく、時勢に流されもせず、頑固一途にわが道を突き進んでいった彼らの姿には、胸をうつものがある。
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● COMMENT ●

留守でごめん(^^ゞ

家主留守ばかりで、コメントいただいていたのに気づかずにすいません(^^ゞ
タイトル、気に入っていただけて、嬉しいです。相変わらずの思いつきばったり症候群でありまして、すでに続けることに懸念が・・・(^^;
この本のタイトルもなかなかでしょう? 思わず手に取ってしまいました。やっぱり大事ですよねえ、タイトル。
いっつも思いつきはいいんだけど、中身がないのが悩みの種。
今年はなんとか脱ピーマン!<古すぎ~_(._.)_ 

いい書庫です

まあ~、いつのまにブログを(@@)
でも書庫の名前がいい。
武士の失業と再就職の本なんてあるんだ。
世の作家はいろんなことを考えつくものだと
感じた次第。
あ、ここではあらためてあけましておめでとう!
ことしもよろしく。


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